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それ行け!早乙女研究所所属ゲッターチーム(TV版)!

70年代ロボットアニメ・ゲッターロボを愛するフラウゆどうふの創作関連日記とかメモ帳みたいなもの。

百鬼百人衆角面鬼兄弟、やきう場に推参す。~Prologue~

闇が蠢く。
憎悪と怒気を糧として。


「ええっ?!」
「に、兄ちゃん…それ、マジで言ってんの?!」
「ああ」


闇が揺らぐ、弟達の驚愕で生まれた波で。
だが、長兄は不敵に笑い返す、それは自信と傲慢。
「さっき説明したみたいな理屈をつけ足せば、ぐちぐち言われることなくできる…と思う」
「そ、そうかなぁ…」
末弟の戸惑いの言葉には、ただ苦笑で返すだけ。
次兄も最早何も言わず、ふうっ、と息をつくだけ。


闇が蠢く。
憎悪と怒気を糧として。
そのカタマリは―真っ白な、何かをその手に握っていた。
赤い刺繍の縫い目も鮮やかなそれを、「人間」は何と呼ぶのだろう―


「俺は行くぜ、止めても無駄だ」
「兄ちゃんだけずるい!俺も行くッ!」
「二角鬼、お前は?」
「そりゃ、うまく行くなら…俺も行ってみたい!」
「じゃあ、決まり…だな」


だが、弟たちも、兄の突然の提案に驚いてはいるが、決して反対ではないようだ。
いや、むしろ、彼らだって共に行きたいのだ―その場所へ。
そして、そんなことはとっくに長兄も理解していた。
だからこそ、こんな突飛な計画をぶち上げたのだ。
次兄と末弟の熱のこもった返答に、長兄はにやり、として。
弄んでいた右手の中のソレを…真っ白なソレを、ぼーん、と軽く投げ上げ…
ぱしり、と乾いた音が鳴る。
受け止めた彼の右の手の中、硬球がかすかに皮の匂いを彼の手に残す。



「さっそく行こうぜ…ヒドラーの野郎のところへ!」



「はあぁ?!貴様ら、何をアホなことを言っておる!」
ヒドラー元帥の執務室。
鬼の軍団・百鬼帝国の猛者たちを束ねる王であるブライ大帝の信任も厚い、軍事部門の最高責任者…
その配下たる帝国の精鋭たち、百鬼百人衆のメンバー、角面鬼兄弟…
唐突に執務室に押し入っては唐突なことを抜かす彼らの直訴、その内容のあまりの珍妙さに思わず声を荒げてしまう元帥。
しかしながら、三人は涼しい顔でそれを聞いている。
「俺たちゃいたってまじめなつもりですがね、ヒドラー元帥」
「いや、だが…貴様ら、」
長兄の一角鬼は、何処か演技じみた口調でそう言って、わざとらしく両腕を広げてみせる。
だが、ヒドラーは軍団長ともいえる立場だ。
帝国に危険が及ぶかもしれない無用の行動なら、部下に実行させるわけにはいかない。
「人間どもの偵察、とはいっても…何故、…ヤキウ場?とやらのところへ行くんだ?」
元帥の疑問は、至極もっとも。
何故、それが国家を動かす大物が集まる政府機関・国会や、多くの情報が得られるマスコミではないのか。
何故、ヤキウ?とかいうモノをする場所なのか?
何故、わざわざ軍のエリートである百人衆がそこを偵察したがるのか?
「そんなことなら、早乙女研究所へでも」
「そこなんだぜヒドラー元帥!」
と。
元帥が抱いた当たり前の疑念を、一角鬼はこれまたわざとらしい大声でかきけした。
そして、きっ、と、元帥をまっすぐに見据え、主張する。
「俺たちは、あまりにもゲッターロボ…早乙女研究所のところに注力しすぎじゃないですかい?」
「む?」
ここで、えへん、と、軽く咳払い。
角面鬼兄弟の次兄・二角鬼が、兄の言葉に加えて、続ける。
「いいですか?我ら百鬼帝国の最終目標は、この世界全てを手に入れることでしょう」
「…」
「それを邪魔するのが早乙女研究所…ですが、」
世界征服という大望を現実のものとするべく、そこに至るまでの標識(マイルストーン)を、もっと細かく打ち込んでいくべきだ、と。
「もうちょっと、『足場』ってやつを固めていくためにも…日本の各都市の制圧は必要でしょう」
ゲッターロボ、早乙女研究所というわかりやすい標的のみならず、地固めをしていくべきだ、と。
「そのためには、諜報部隊だけに任すんじゃなく…実際に百鬼ロボに乗って戦う俺たち百鬼百人衆がもっと現地を見ておくべき!」
二角鬼は理論で攻め込んでいく。
奥底にある、彼らの真の目的のことなど、欠片すら見せるふし無く。
うぬう、と、元帥がうなる。
疑り深く執念深いヒドラーは、それでも納得しきれていないようだ。
まず、第一に。
「だ、だが…その『ヤキウ』?というのは何なんだ?何故そこを偵察に?」
そう、ヒドラーは…いや、彼だけではない、百鬼帝国のほとんどの者は「ヤキュウ」を知らないのだ。
「おや、ヒドラー元帥ほどの方でもご存じない?」
が、それこそ彼らが好機。
やっと来ましたかその質問が、とでも言いたげな顔で、三兄弟がずずい、と前に歩み出た。
「『ヤキュウ』とは…世界の多くの人間どもが狂乱するスポーツなんだぜ!」
「大人から子供まで、幅広い年齢層をカバーしてるんだ!」
「だから、いつもたくさんの人間どもが『ヤキュウ』を見るため、そこに集まるんです!」
ここが勝負どころ。
なだれ込むように、三兄弟が一気にまくし立てる。
果たせるかな、元帥の表情が少し…変わった。
それを見逃さず、三人はさらに押し込んでいく。
とにかく何でもそれっぽいことを言えばいいのだ、理屈とサロンパスは何処にでもつく。
「それに、大量の人が集まる場所…その全員を何らかの方法で洗脳すれば、戦力の増強にもなるだろう!」
「そうそう!そういう大規模な作戦をちゃんと立てるためには、やっぱ俺たち、自分自身で見に行かなきゃダメだと思うんです!」
「それこそ、何処に何があるか、どういうタイミングで実行するのがいいか…とか、細かいことは自分の目で見たものしか信じられないですし!」
「ぬう…」
一気呵成の主張が途切れ、しばしの間。
腕組みした元帥が少し考え込むような様子を見せ。
十数秒置いて、はあ、と、脱力したかのようなため息をつき。
…そして。
「…まあ、構わん。他の百人衆の邪魔をしたり、無駄に目立って早乙女研究所のアホどもに見つかったりはするなよ」
「!…はい!」
「やったあー!」
「ありがとうございまーす!」
そう、それこそが三兄弟がヒドラーからひねり出したかったひとことだ!
望み通りの許可を得た角面鬼兄弟、文字通り飛び上がって大喜びだ。
ハイタッチなどかまして浮かれ騒ぐそんな姿は、当たり前だが、ヒドラー元帥を急に不安にさせた。
「…何だその喜びようは。お前ら、まさか何か…」
「んじゃこれで失礼しまあーっすぅ!」
「あっ、適切な場所を選ばなきゃいけないから、何回か別の場所も見に行ったりしてもいいっすよねぇ!」
「後、現地での費用も経費で落ちますよね!よろしくおなっしゃああああーっす!」
「おい、角面鬼兄弟!」
ヒドラー元帥が怒鳴っても、もう遅い。
「構わん」というヒドラーの言質を取った以上は、もう(まさに)鬼に金棒だ。
矢継ぎ早に聞き捨てならない条件を言い放って、脱兎のごとく執務室を飛び出す三馬鹿兄弟。
彼らに向かって思わず伸ばした右手が、所在なくだらり、と垂れ下がる。
(まったく…あいつら、何を企んでいるのだ?!)
ちっ、と舌打ちが自動的に漏れたのは、元帥の疑惑と苛立ち。
しかしながら、そんなヒドラーでも、さすがに予想だにしていない…
まさか、彼らの目的が「作戦にかこつけて、とにかくヤキュウを見たい」…そんなすっとこどっこいなモノだろうとは。

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うちのサイトの「百鬼百人衆 角面鬼兄弟」について

うちのサイトのゲッター小説に出てくる「角面鬼兄弟」について、ちびっとまとめ
これから先書くつもりのプロやきう観戦ショートストーリーを読んでもらう時に役立つかも(*˘◯˘*)

*元ネタは、ゲッターロボG「第三十四話 対決!百鬼三兄弟」から。
長兄の一角鬼が「清水一角」という人間に化け、浅間学園野球部キャプテンのベンケイに勝負を挑み、仲良くなって研究所に入り込む…という作戦を立てました。
長兄…一角鬼
次兄…二角鬼
末弟…三角鬼
私のつくる話の中では、年齢は「日本の高校生(16~18才)程度」としています。
また、長兄の一角鬼は、同じ百鬼百人衆の鉄甲鬼の同期…としています。

*ここから、「野球に興味を持つ」という点を考え、書いたのが次のこばなしです
Grab the shining Star, α Canis Minoris
http://yudouhu.net/getter/gteki3.html

*また、彼らが野球を研究するために使ったマンガ「巨人の星」に興味を持った、というところで話を作り始めたのが、オリジナルでつくった百人衆の少女の話です。
脳筋だが仲間思いの一角鬼の話でもあります。
主将と子鬼のものがたり
http://yudouhu.net/getter/syusyou1.html

…というわけで、結構私の中で気に入っているキャラクターなのであります(*°◯°*)
また、私は3年ほど前から、ガチでガンガン野球観戦に行っていたりするので、
それを組み合わせて「やきう場紹介こばなし」を書いてみたいと思っています
期待しないで待っていてください(*˘◯˘*)!

角面鬼兄弟


一角鬼、人間の偽装している時はこんな感じ


車弁慶と仲良くなった一角鬼

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ゲッターの(不定期)連載はじめるます(*˘◯˘*)

こんにちはこんにちは(*^○^*)

というわけで、夏休みに入って身体がちょっと楽になったので、久々にこばなしを…
とはいっても、この「こばなし」めっちゃ長くなりそうです。
以前からぼんやり考えていた、帝王ゴールの娘・恐竜王女ゴーラの話です。

何回もこのブログで書いている気がしますが、彼女の出てくる「悲劇のゲッターQ」は、
アニメ版ゲッターロボにおいてはいくつもの大きな矛盾を生んでしまう話です。
ですが、それでも、「人間」「ハ虫人」の間で揺らいだ彼女の物語は、
とてつもなく哀しくも魅力的です。

彼女は、何故、帝王ゴールの娘にも関わらずに危険な作戦に出されたのか。
彼女は、何故、ゲッターQの設計図を盗んですぐに恐竜帝国に戻らなかったのか。
そして、彼女は、何故、「戻って」来てしまったのか…

それを、短い話をつなげて書いていきたいな、と思っています。
ここでまず出して、たまったらホームページのほうにHTMLにして置く予定です!

なお、これと並行して、コメディ的なものもどんどん書いていきたい…
哀しいのばっかりだとつらくなっちゃう(*˘◯˘*)!
私の趣味「プロやきう観戦」と合わせて、百鬼百人衆の角面鬼三バカ兄弟の話も書きたいと思ってますwwwwwww

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恐竜王女の御幸(ミユキ)-Prologue-

恐竜王女の御幸(ミユキ)-Prologue-


老婆が祈る。旧き神々に祈る。
大祭壇の前、聖なる炎を絶やすことなく、祈りの言葉を高く低く謳いながら。
地にひれ伏す老婆の両の手の爪は鋭く尖り、皮膚は浅黒い緑。
なめらかな鱗に覆われたその姿は、ヒトではない―
ヒトではない。それは、ハ虫類。
蛇。蜥蜴。いや…「恐竜」。
その後ろ足は、だが、まるでヒトのごとく二足で立つことができ。
祭司たるその老婆は、それにふさわしい豪奢な衣をまとい。
これが野生と本能に踊らされる、ただの変温動物であるはずもなく。
言うなれば、それは…「ハ虫人」。
猿より進化したヒトどもの知りえぬ場所で、ハ虫類もまたそれに似た形態へと進化した。
社会を、文化を、科学を持ち、進化し続けていく生命体へと。
その生命体は、ヒト同様に畏怖を持つ。
己の運命をつかさどると思しき、己より強大なモノ―「神」に。
そう、老婆は祈っている。彼女らの神々に。
暗黒に包まれ何も見えぬ行く末、それを切り開くよすがを求めて。


老婆が祈る。旧き神々に祈る。
その祈りは、数時間も続けられただろうか。
汗がだらだらと額からこぼれ、祈るその声はもはやかすれきしんでいる。
しかし、老婆は祈り続ける。
彼女が求めているのは、自身の未来のような、そんな矮小なものではないからだ。
この国を…ハ虫人の国を、そこに生きる数多の民たちの命、その全ての命運を大きく左右する。
国家の存在と歴史を賭けた大きな決断に、勝利を飾るための信託を得んとしているのだ。
老婆が祈る。旧き神々に祈る。
立ち上がり、ひれ伏し、また頭を上げ、再び地を這い…



そして。
その瞬間が、唐突にやってくる。



「…?!」
祭壇に据えられた、巨大な水晶が、黒く澱んだ。
その靄が揺らめき、うごめき、何かの像を結ぶ…
「そ…そんな!」
老いて濁った司祭の目にも、それははっきりと突き刺さる。
老婆の表情に驚愕、それに替わっていく絶望。
何故なら、彼女は伝えなければならない。
彼女の王に伝えなければならない。
帝国の打つ起死回生の作戦、神々に選ばれたその者の名を…




「ゴーラ王女様…!」




老婆の唇からこぼれたその名は、嘆きと悲哀と混乱にまみれていた。



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1年以上放っていたことに気づいて、ワイさすがに驚く

サイト放置しすぎたわ…
いったいレンタルサーバー代をいくら無駄にすれば気が済むのかヽ(`Д´)ノプンプン

とはいっても、仕事が忙しいのでなかなか…
とりあえず、過去のゲスト原稿をhtmlにしてみましたー
想えば6年前の作品のようですが、あれから月日がたってもまだTwitterが現役だなんて…
(買収の噂とかもありますけどね)

さて、今後の流れですが、
・ゲスト原稿用のこばなしを書きたい
・ゲッターロボの中編のお話を思いついたので書き始める
・がんばれ!ヒドラ―元帥シリーズ、地味に続けたい

正直な話、テキストをバチバチ打つのは割と早くて、
そこからhtmlにすることのほうがだるかったりします
なので、実験的に、「まずこのブログに投稿→そののちに時間があるときにhtml化、アップロード」
してみたいと思います(*^◯^*)

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うーん(;´д`)

なんと、ほぼ一年ほっといてしまった…
仕事が忙しいなんて言い訳だよね…


ちょっと前から考えていたのですが、コミケとかの即売会にはもうサークル参加しないことにしました(´・ω・`)
理由としては:
・冬のコミケしかもともといけなかったが、落ちまくりなため
・仕事の忙しさがちょっと変わって、年末ちょっと移動するのがしんどいため
・新たなシュミに「プロやきう観戦」が加わったため、資金繰りの面でもちょっとしんどいため


なので、こばなしとかの作品は、Webサイトでしっかりアップしていきたいですね。
また、かつての本で出した作品なんかも、htmlにしてページとして載せていきたいと思います。
(*°◯°*)<「対決!ゲッターロボ対無敵ロボトライダーG7」も連載していくよ!


まあ、あんまり期待しないで、待っていてください。
このブログももっと使ってあげなきゃね(´・ω・`)!

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やっとサイト更新(;´Д`)

しました(*^◯^*)
以前書いていたショートストーリーのサルベージ
いやあ、仕事とやきう観戦で忙しくて…
ついついさぼりがちです(ヽ'ω`)

ゲッターこばなし、節分は途中まで書いてやめにしました
やっぱり自分を退治する鬼退治ってのも変ですしね
次は…ゴールデンウィークとかかなあ?

拍手お返事:
カルロス様>
おひさしぶりです(*^◯^*)!いろいろ季節に合わせて小ネタが書けたらなーって思ってます
最近思うんですけど、ヒドラーさんはあれで性格がよかったら、たぶんゲッターチームは負けてたなって思うんですよね
いろんな意味でwwwwww

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