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それ行け!早乙女研究所所属ゲッターチーム(TV版)!

70年代ロボットアニメ・ゲッターロボを愛するフラウゆどうふの創作関連日記とかメモ帳みたいなもの。

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ボーナス時期だよ!ヒドラー元帥!(がんばれ!ヒドラー元帥シリーズ)

執務室。
立派な椅子に坐している壮年の男、その憂いの色は深く。
広々とした机に肘をつき、ぐったりと頭を抱えている。
憂えている。
これからの騒乱を、思うあまり。

だが、いつまでも逃げてはいられない…
ああ、あの扉の向こう、すでに奴らは群れをなしているはずだ。
逃げ場などない、ここは袋小路。
そして、12月の今日は…自らが立ち向かわねばならない、正念場。

男は、やがて。
扉前で侍る部下に命じた。陰鬱な声で。
「…奴らを、入れろ」
「はっ…」
彼は慇懃にうなずき、いったんの間をおいて。
意を決した表情で、ドアノブに手をかける―


ばたん!


扉のあげた悲鳴は、試合開始のゴング。
壮年の男は顔を上げ、きっ、と唇を結ぶ…
気合を込めて!




「貴様らあッ!一列に並べ、一列にいいいッ!」




「だいたい!女戦士たちの教育にも携わっている私が、何故この金額か?!
自雷鬼などを見ろ!一族の誇りとか言いながら、ろくに動きもせず遊びほうけているにもかかわらず、何故私と同額なんだ?!」
「そ、それはだな…」
すさまじい勢いで叩きつけられる胡蝶鬼の文句に、ヒドラー元帥は思わず身を引いてしまう。
「何というかだな、その、人材育成に関わる分は同額の査定を…」
「ふ・に・お・ち・なあああああいッ!!」
「ひ、ひいっ?!」
元帥の言葉に、机をばんばん叩き猛抗議の胡蝶鬼…まさに鬼女である。
ヒドラーはもう泣きそうであるが、涙声で何とか懐柔に出る。
机の引き出しから何やら白い封筒を取り出し、示すことには…
「わ、わかった!そ、それでは…中央駅前百貨店の商品券!これを3万ブライ分!」
(注:百鬼帝国のお金の単位は「ブライ」。だいたい1ブライ=1円)
「少ないッッ!」
「そそそ、それではさらに1万ッ!」
そこまでの追加を見て、胡蝶機の整った眉がぴくり、と動く。
「…ふん、初めからそうしていればよかったのだ!ではな!」
すぐさまにその封筒をヒドラーの手からもぎ取り、胡蝶鬼は踵を返し。
足音も高く去っていくその後ろ姿に、ヒドラーはやっと呼吸する安堵を思い出した…

しかし。
彼に安息など、許されるはずもない。
何故なら…

「じゃあ、次はワシですな!」
「あ、ああ、大輪鬼…」
「ちょっとねえ…昨年度よりの減額と言うのはね!ワシは納得がいかんのですよ!」
ずい、と前に出てきた、恰幅もよい大男は大輪鬼。
その口から流れ出る文句に、ヒドラーは疲労の色を隠すこともできず、ため息をついた…


時は12月。
この鬼の国たる百鬼帝国では、畏れ多くも慈悲深いブライ大帝様の温情により、
エリート集団百鬼百人衆には「特別報奨金(ボーナス)」が出されるのだ。
皆、このボーナスをたのしみにして、年の暮を待ちわびているのだ。
しかしながら、この報奨金はいかなる基準で算出されるのか?
偉大ながら鷹揚であられるブライ大帝は、金勘定などしはしない。
すなわち、彼の第一の部下たる男にそれを任せている…


そう、ヒドラー元帥である!


今日はその特別報奨金の支給日。
彼らが、自分の得たボーナスの金額を知る日。
そして…
その評価に不満だった者が、一挙にヒドラーの執務室に押し寄せる日。
すなわち…怒りの訊問タイムだ!


「えっく、ひっく、ぼ、ぼく…一生懸命やってますぅ…!」
「わかっておる!わかっておるぞ地虫鬼、だが子どもがそんな大金を…」
「…びえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ん!!」
「ひぐうッ?!」

「俺の報奨金の金額。これがどのようなルールで出したのかをはっきりさせてもらおう」
「あのな、鉄甲鬼。去年も説明したとおり…」
「ヒドラー元帥ッ!俺はそれが正しいと思えない限り、納得は出来んッ!
さあ、何故俺の報奨金が48万5800ブライなのか、説明してもらうぞッ!
お前も元帥と言うなら、正々堂々と釈明できるはずだッ!」
「…。」

「あと5万ブライは欲しい!ここは譲れない!」
「暗黒鬼、確かにお前の作戦はよかったのだが、その…」
「はぁ?!そんな口先だけでごまかされませんよ!さぁ、ここは認めてもらわねば!」
「ひいっ…」





陳情は、まだまだ続く。
でも、ボーナスはとっても大事…
ゲッターを倒す、世界征服する、でもその高い志だけじゃ、ずっと頑張り続けてられないから。
たまにはこんなゴホウビもないと、やりきれないから…
百鬼百人衆が力いっぱい来年も働けるための、そう、これは大事なエナジーチャージ。
みんなが必死なのも、当然だ…






だから、
がんばれ!ヒドラー元帥!
陳情の待ち人数は、あと68人だ!







追記:
ヒドラー元帥の特別報奨金は87万4000ブライでした☆
(部下がひがむので、毎年据え置きで昇給はしません)
ヒドラー元帥「…(涙)」

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