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それ行け!早乙女研究所所属ゲッターチーム(TV版)!

70年代ロボットアニメ・ゲッターロボを愛するフラウゆどうふの創作関連日記とかメモ帳みたいなもの。

恐竜王女の御幸(ミユキ)-Prologue-

恐竜王女の御幸(ミユキ)-Prologue-


老婆が祈る。旧き神々に祈る。
大祭壇の前、聖なる炎を絶やすことなく、祈りの言葉を高く低く謳いながら。
地にひれ伏す老婆の両の手の爪は鋭く尖り、皮膚は浅黒い緑。
なめらかな鱗に覆われたその姿は、ヒトではない―
ヒトではない。それは、ハ虫類。
蛇。蜥蜴。いや…「恐竜」。
その後ろ足は、だが、まるでヒトのごとく二足で立つことができ。
祭司たるその老婆は、それにふさわしい豪奢な衣をまとい。
これが野生と本能に踊らされる、ただの変温動物であるはずもなく。
言うなれば、それは…「ハ虫人」。
猿より進化したヒトどもの知りえぬ場所で、ハ虫類もまたそれに似た形態へと進化した。
社会を、文化を、科学を持ち、進化し続けていく生命体へと。
その生命体は、ヒト同様に畏怖を持つ。
己の運命をつかさどると思しき、己より強大なモノ―「神」に。
そう、老婆は祈っている。彼女らの神々に。
暗黒に包まれ何も見えぬ行く末、それを切り開くよすがを求めて。


老婆が祈る。旧き神々に祈る。
その祈りは、数時間も続けられただろうか。
汗がだらだらと額からこぼれ、祈るその声はもはやかすれきしんでいる。
しかし、老婆は祈り続ける。
彼女が求めているのは、自身の未来のような、そんな矮小なものではないからだ。
この国を…ハ虫人の国を、そこに生きる数多の民たちの命、その全ての命運を大きく左右する。
国家の存在と歴史を賭けた大きな決断に、勝利を飾るための信託を得んとしているのだ。
老婆が祈る。旧き神々に祈る。
立ち上がり、ひれ伏し、また頭を上げ、再び地を這い…



そして。
その瞬間が、唐突にやってくる。



「…?!」
祭壇に据えられた、巨大な水晶が、黒く澱んだ。
その靄が揺らめき、うごめき、何かの像を結ぶ…
「そ…そんな!」
老いて濁った司祭の目にも、それははっきりと突き刺さる。
老婆の表情に驚愕、それに替わっていく絶望。
何故なら、彼女は伝えなければならない。
彼女の王に伝えなければならない。
帝国の打つ起死回生の作戦、神々に選ばれたその者の名を…




「ゴーラ王女様…!」




老婆の唇からこぼれたその名は、嘆きと悲哀と混乱にまみれていた。



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