描きかたなど根こそぎ忘れていた
エルレーンが出てくる小説は、基本的には「人間は可変である」、変わることができる、というのをメインテーマにしているわけだが、それぞれサブテーマみたいなのを各章ごとにいろいろ設定して書いていた。
一番最後、スパロボ小説後編の「決戦、恐竜帝国」編でのテーマは、
「『相手のことがわかった』からといって、問題が解決するわけではない」ということを下敷きにして書いている。
敵であり、自分をキャプテン・ルーガを死に至らしめた仇として憎んでいる、恐竜帝国のキャプテン・ラグナ。
彼は次第に、「№39」であったエルレーンがかつてどれほど苦しんでいたか…ということを「知り」、そして彼女の思いも「知る」。
だがしかし、彼が「選んだ」のは、エルレーンを殺しゲッターチームを倒す…という選択肢。
相手のことを「知る」、「わかる」だけでは、問題をクリアすることはできない。
相手のことを知らない、無知なままではもちろんだめにしても、
知ったその上で何をするか、何を選ぶのかこそが大切なのだ、と。
そしてそれこそが一番難しいことなのだ。
結果として、小説がどのような結末となったかを知っている人には、何となく私の意図したことがわかっていただけるのではないかな、と思います。